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読むもの、あります。

読んだ本を主にご紹介します。気が向いたら、他にも何かしらご紹介します。

いよいよ初の書評。『アップル帝国の正体』後藤直義・森川潤(著)を読んでAppleを思う。

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4月に入って初めての記事です。

 

前のブログは開設してから1年以上、毎日書いていた気がするのだけれど、今回は緩く楽しくという方針を貫いております。

 

 

 

さて、いよいよ、

書評記事を書きます!!

 

いやー良かった。

いちおうこのブログは書評ブログとして立ち上げたので、

「今までの記事はなんだったんだろうね?」と聞かれてもおかしくないです。むしろ聞いてください。

 

 

 

さてご託は置いておいて、書評。

 

今回ご紹介するのは、この本です。

 

アップル帝国の正体

 

 

2013年7月に初版が発行されています。

なので2016年4月5日の今日としては、少々情報が古い。

 

でも、Apple製品やAppleの販売方法に興味のある私にとって、読む価値はありましたよ。

 

目次。

 

目次は以下の通りです。

 

プロローグ アップル帝国と日本の交叉点

第1章   アップルの「ものづくり」支配

第2章   家電量販店がひざまずくアップル

第3章   iPodは日本の音楽を殺したのか?

第4章   iPhone「依存症」携帯キャリアの桎梏

第5章   アップルが生んだ家電の共食い

第6章   アップル神話は永遠なのか

エピローグ アップルは日本を映し出す鏡

 

予想するに、第6章「アップル神話は永遠なのか」が気になる方も多いと思います。

私も気になった。

本文では実に完結にまとめられています。後述。

 

 

話はちょっと飛びますが、第3章の目次を見て、

佐野眞一さんの『だれが「本」を殺すのか』

という本を思い出しました。

通称『ホンコロ』らしい……

 

だれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫)

だれが「本」を殺すのか〈下〉 (新潮文庫)

 

 

印象に残ったことを、簡単に。

1.iPodiTunesの記憶。

 

この、『アップル帝国の正体』を読みながらしきりに出てきたのが、

「あ~~~、懐かしいわーこれ!あったあった!」

という、昔を懐かしむ感想でした。

 

特に、第3章で取り上げられた、iTunes関係のことが。

 

日本では、iTunesが登場した当時、MDが幅を利かせていたし、その頃はCDも売れていたしで、iTunesで買える曲って本当に少なかった。

特に、昔はソニーの邦楽の曲ってiTunesに全くなくて(Appleソニーがまだ契約していなかった頃だったので当然のことですが)、私自身も結局長い間、CDをレンタルしてきてMDにコピーするということをしていました。

そのうち、CD-Rに焼くようになりましたが、iTunesで曲を購入するようになったのは個人的に最近のこと。

 

この本にも書かれていますが、日本では、iPodが売れても母艦となるiTunesが使いづらいという状況だった……

iPod nano(第何世代かなあ……わりと縦横の割合が1:1に近いもの)を買った頃は、使いづらい(と思っていた)iTunesにしきりに毒づいていたものです。

 

 

2.日本の家電メーカーへの思い。

 

で、だ。

他にも、

「日本の家電メーカーは昔は花形だったよな……今は凋落しているところが多いけど。どこでどう間違えた?」とか、

「最近のソニーってパンチ力がないよね」とか、

うちのブルーレイレコーダーはシャープのAQUOSだが、かなり使いにくいぞ」とか、

まあ出てくる出てくる、

日本の家電メーカーに対する懐かしさとかその他諸々の感情

 

Appleの本なのに、どちらかというと出てくる感想は、日本の家電メーカーへの思い。

 

いや、これは私の読み方が偏っているのだと思われますが。

 

 

実際、この本では、Apple「お高くとまりやがって」高級感をも演出して販売する商法とか、下請け工場へのものすごい圧力とかがこれでもかと紹介されていて、Appleに興味があって、なおかつあまり詳しい業界知識のない方であれば、「へー」とか「ほー」とかため息の出るところが多々あるはずの本です。

 

 

3.文章の良さ。

 

そしてね、文章が読みやすい。

 

上記の『ホンコロ』もこの本と同じジャンルの業界ノンフィクション物なのですが、この『アップル帝国の正体』の方が、取材して書く人=著者の個性が良くも悪くも薄く感じられて、すいすい読み進められます。

 

最近、マンガやムック、精神的負担の少ない本などの軽い本しか読めなかった私が勝手に断言します。

この本は読みやすい。

ハードカバーの本ですが、厚みもめちゃくちゃ分厚くはなくて文字も大きすぎず小さすぎず、普段あまり本を読まない方でもチャレンジしやすいと思います。

 

 

4.で、Appleの未来ってどうよ?

 

これな。

 

 

私は某E出版のデジタルガジェット誌が嫌いなのですが、理由は、

Apple製品ってすごくいいよね!イマドキだよね!使わないやつバ○だよね!」

と言われている気がするから。

そして誤字脱字のひどさは「校閲通しているの……?」と聞きたくなるほど。その上そこを指摘しても直さない出版社。

 

Apple製品の熱烈な信奉者って多いと思うのですが、その人たちにけんかを売りたいわけでは別になく、ただ、最近のApple製品ってどうよ?と思うのです。

 

昔、スケルトンのiMacが出てきたときや、

iPodが発売されたときや、

iPhoneiPadが発表されたとき……

 

そのときの感動を、今私たちは感じられているか?ということ。

 

 

この本では、2013年時点でのAppleの評価を、

 

これまで新製品を発売するごとに新たな熱狂を呼んできたアップルが、iPhone 5という最新商品をもってしても旧モデル(※)をうまく塗り替えられないのは「普通の優良企業」に転換する節目を迎えている証拠なのかもしれない。

※引用者注:iPhone 4Sのこと。

 

と表現しています。

 

実に冷静かつ公平だと思う。

 

Appleをこき下ろすでもなく、信奉するわけでもなく。

この冷静な目線はこの本の至るところで発揮されていて、そこが読みやすい一因なのかもしれません。

 

 

この本では、

Appleの未来は分からない、しかし、ジョブズ氏亡き今後、Appleは急成長する企業から緩やかな継続を維持する企業に変わっていくのではないか」

 というひとつの見解が示されています。

 

その原因は、Apple自身にあるというより、周りの企業との関わり方、そして追い上げてくる企業の多さにあります。

 

そこをAppleはどう乗り越えていくのか?

それが、今後の注目すべき観点ではないでしょうか。

 

 

 

五つ星中、四つ星レベルの本でした。

 

この本を五つ星で評価するなら、私は四つ星を付けます。

★★★★☆

という感じでしょうか。

 

五つ星の本も、逆に一つ星の本もめったに出ないので(特に一つ星)、自分の中ではこの本はかなり高評価。

 

  • Appleに興味がある
  • Appleと他のメーカーの関係を知りたい
  • Appleを冷静な目で俯瞰してみたい

という方に特におすすめです。

 

 

書評記事一本目は、良い本だったよ。

 

 

 

 

ではでは、今回はこの辺りで。