読むもの、あります。

読んだ本を主にご紹介します。気が向いたら、他にも何かしらご紹介します。

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』の感動。自分の「居場所」を探している人必読の1冊。

岩崎夏海さんの『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』(以下、『もしイノ』)、読了しました。
読み通すのにかなり時間がかかったけれど、ようやく読み終えられた。
この本のことはぜひ、どうしても、このブログに書きたいと思った。だから感想を書きます。
とても偏った(好意的な)内容になると思うけれど、そこは目をつぶってください。

 

 

 

この人の本に関しては、いろいろ批判とか中傷とかあるんじゃないかなと思ってる。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(以下、『もしドラ』)も『もしイノ』も、決してツッコミどころゼロのパーフェクトな小説ではないと思うし、それどころかツッコミどころは多すぎるんだろうなあと想像する。
でも、少なくとも私にとって『もしイノ』は、「私はまさにこの本を探していたんだ」という希有な読書体験をもたらしてくれた貴重な本だった。
ここのところ読んだ本でそんな感想を抱けたのは、正直『百年の孤独』ぐらいだ。

 

 

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

 

 

 

「自分の居場所ってどこにあるんだろう」と悩む人は少なくないはずだと私は思っているし実際そう感じてもいる。
私自身、とある公共機関での仕事を始めてから3年目に入った今年も自分の「居場所」を見失っていた。情けない話だけれど事実。
でも、今は少し状況、というか、心の持ちようが変わった。
今から思えば今年の10月頃から変わっていって、今では明らかに仕事に対するモチベーションがあがったし責任感が強まった。
そのことの原因は、思い返せば「あれかな」という事柄があるけれど、あまりに個人的なことなのでここには書かない。
ただここで私が言いたいことは、「居場所」を見つけられたら仕事はそれだけでずっと面白いものになるし、極論、ここにいていいんだと自ら思えるようになる。
少なくとも21世紀を生きる人間には「居場所」が必要なのだと、この本を読んで改めて認識した。

 

では何が「居場所」なのか?と問われると、「『もしイノ』もしくはドラッカー著作イノベーションと企業家精神』を読んでみてください」としか答えようがない。
私自身は実はまだ『イノベーションと~』は読めていないのだけれど、『もしイノ』を読めばそのエッセンスは伝わってくる。
今回の主人公・岡野夢ちゃんは、『もしドラ』の主人公である川島みなみちゃんよりずっと共感できた。「私も夢ちゃんと同じだ……」と思った。
その思いは読んでいるときとぎれることはなかったし、最後の方、成長していく彼女の姿を見て、励まされもした。
私はビジネス書はけっこう好き。でも、自己啓発書だけは、目くらましされているようで本当に苦手だ。
苦手ではあるのだけれど、自己啓発書の一環であるかもしれないこの本は、あえて「飛び込んでみる」価値はあった。
もちろん、『イノベーションと~』の副読本としても面白く読める(私はむしろこちらの興味で読み始めたクチ)。
ドラッカーの本にあたる前に、もう少し分かりやすい本を読んでみたい」とする向きにもおすすめ。

 

イノベーションと企業家精神【エッセンシャル版】

イノベーションと企業家精神【エッセンシャル版】

 

 

 

もともと私は『もしドラ』を、表紙と売れ行きを見て胡散臭いと思っていた。ベストセラーは嫌いだから、読もうともしなかった。
でもドラッカーの本は大好きだから、胸中の紆余曲折を経て、結局読んでみた。
そうしたら、別に胡散臭い本ではなかった。むしろ思ったより真面目な本で驚いた。
だけれど、それでそのときはそのままになった。自分の中で、『もしドラ』は曖昧な存在のままだった。

今年に入ってドラッカーの『非営利組織の経営』を読む必要性を強く感じ、実際に読み始めてあまりの中毒性というか有用性にくらくらとして、しかしこの本は生半な覚悟では読み通せないと痛感して他の本にも手を出していた。
その中で『もしイノ』に出会った、というかその存在を思い出した。

 

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

 

 

ドラッカーの本はどれも堅い。いろいろな意味で「かたい」のだ。
すーっと読もうと思えば読めるけれど、それでは理解はできない。少なくとも私の頭ではそうだった。有用性の高い言葉が多すぎて、覚えきれないのだ。
読むときも、分かりやすい言葉が並んでいるのになぜかスムーズに読み通せない。「すーっと読める」のは、言ってしまえば、自分にあまり必要でない(とそのときは思える)事柄を読んでいるとき。
『もしイノ』もそうだった。図書館で借りたはいいけれど、のめり込めば込むほどなかなか読み進められない。内容は面白いのに途中で時間切れとなり返却した。
だから続きが気になって、思い切って買って読むことにした。

話は少しずれるが、その合間に読んだ、『『もしドラ』はなぜ売れたのか?』という、岩崎夏海さんご自身による回顧録が強烈だった。
この一冊で、私は彼のことが逆に気にならなくなった。岩崎さんの経歴とか性格とかはどうでも良い、この人の書く「本」が面白いのだと思えた。
作者その人を気に入らなければその人の本は読まないし読めないという自分にしてはとても珍しいことだ。
この本によって、『もしドラ』シリーズに対する苦手な思いが払拭された。『もしドラ』を読まず嫌いな方にはこれもおすすめの本。
もちろん、『もしドラ』に興味のある方にも大いにおすすめする。『もしドラ』製作の舞台裏がこれでもかと詰め込まれていて、迫真のドキュメントとなっている。
すでに新潮文庫版を持っていた私も、この本を読んだことにより、単行本を買い直したほどだ。理由は……裏表紙の違い、とだけ言っておこう。

 

『もしドラ』はなぜ売れたのか?

『もしドラ』はなぜ売れたのか?

 

 

 

自分に自信がない人ほど、『もしイノ』を読めばいい。私はそう思っている。
もちろん現実は厳しくて小説みたいにこんな上手くいくことはないだろうけれど、何かに時間を割くとしたら、セミナーに高いお金を出すのであればこの本を買った方が時間とお金の無駄にならないのではないかと個人的には思う。

 

 

 

長々と好き勝手書いてきた。
この感想はもともと、別の媒体で書いたものを書き直したものです。どうしても、『もしイノ』読了後の感動を書き残しておきたかった。
ここまで読んでくださってありがとうございました。