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読むもの、あります。

読んだ本を主にご紹介します。気が向いたら、他にも何かしらご紹介します。

『働く君に伝えたい 「お金」の教養』の感想。出口治明さんによるお金の、そして人生の講義。

こんにちは。

 

最近、出口治明さん(@p_hal)の著書をよく読んでいる。
出口治明さんは現在、ライフネット生命保険のトップとして働いておられる方だ。

きっかけは出口さんによる『百年たっても後悔しない仕事のやり方』という本だった。
この辺りは、以下の記事を読んでいただければと思う。

 

pinopino-cha.hatenablog.com

 

 

先日、「「正しいお金の教養」って何だ?お金にまつわる本、4冊をご紹介。」という記事を書き、その中で『働く君に伝えたい 「お金」の教養』という本にも簡単に触れた。
この本を読了し、いろいろ感じるところがあったので、この本について単独記事で書こうと思う。

 

 

働く君に伝えたい「お金」の教養

働く君に伝えたい「お金」の教養

 

 

この本はとても読みやすい。文章が分かりやすいし、お金について講義で学ぶ形式になっていて章立てされており、それぞれのテーマがはっきりしていて学びやすいのだ。

目次は以下の通り。

 

はじめに

第1講 「知る」編 なぜ、お金には不安ばかりがつきまとうのか?

第2講 「使う」編 幸福かどうかを決めるのは貯蓄額ではない

第3講 「貯める」編 不安は貯めることへの執着から生まれる

第4講 「殖やす」編 希望は長期投資から育まれる

第5講 「稼ぐ」編 働き続けるからこそ自由になれる

おわりに

 

しかし注意点はある。

読みやすいこと=理解しやすいこと、ではない。簡単に、頭を使わなくても脳にすらすら入ってくるわけでもない。逆だ。
実際、この本を読み進めるのには時間とかなりの「脳力」を使った。

勉強における「基礎」がイコール簡単というわけではなく、実は理解するのに時間がかかるものであるのと同じように、この本をしっかり読もうと思うと案外時間がかかる。もちろんその人にもよるだろうけれど。

 

ただし得るものは大きい。限りなく大きいと言ってもいい。
なぜなら、この本を読み終えた後、われわれ読者は各々が自ら学ぶ必要性を知る。すなわちこの本から、学ぶ姿勢、学ぶことの重要性を得られるからだ。

私は現在働いている機関の関係から、教育の重要性を痛感させられている。教育を受けられることは、大げさでなく、その後の人生、そして子孫の人生につながっていくのだ。

 

 

余談だが、出口さんのお言葉(正しくは何かからの引用だったと記憶している)で印象に残っているものがある。

たしか、『百年たっても後悔しない仕事のやり方』で出てきたと記憶しているが、
昔の本を読んで理解できなければ自分が馬鹿だと思いなさい。今の本を読んで理解できなければ著者が馬鹿だと思いなさい
というものだ。

これは何を読んでも当てはまるので、感心したものだった。
(最近読んだ別の本でも、どう読んでも理解が及ばないどころか日本語の意味自体が分からない内容のものがあり、それは著者もしくは訳し方が悪いのだろうと思った)

 

百年たっても後悔しない仕事のやり方

百年たっても後悔しない仕事のやり方

 

 

 

さて、話を戻して、今回の本。

タイトルの通り、お金について学べる本である。それも、基礎の基礎を学べる。

目から鱗が落ちるという体験は、意外となかなかできないものだけれど、この本を読むと経験できる。おそらく多くの方が。
なぜなら、日本では、お金について学校などできちんと学ぶ機会がなかなかないからだ。

 

ちなみに私は、出口さんの著書『生命保険入門 新版』という本をパラパラ通し読みしたことがある。

 

生命保険入門 新版

生命保険入門 新版

 

 

これはかなり専門性の高い本で、他の本との語り口の落差が激しく、「出口さんは大学教授か何かか!?」と唖然としたのだけれど……この本も、手に入れて本腰でじっくり挑戦してやると思っている。(ただし2009年発行のものなので、データが古いかもしれない。新版は出るのだろうか?)

 

そんな本も書ける方なので、普段の分かりやすく面白い語り口で書かれた今回の本は、出口さんの持つお金の膨大な知識を吸収するのにうってつけである。

 

帯には大きく「20代の新しいお金づきあい入門!」と書かれているが、別に20代でなくても役立つと思う。私は今年アラフォーに差し掛かるが、それでもこの本を読んで学べた、得した!と感じたから。(ある程度若い方の方が実行しやすいとは思うが)
お金について不安のある方、疑問のある方が読めば、おそらく何かしら得るものはあるだろう。

学ぶのは若い方が吸収率は良いけれど、年齢制限などない。何歳からでも学べば良いのだ。

 

全体を通して印象深いのが、歴史を通して情勢を見ることと、「見極める力」=「リテラシー」の重要性を述べておられること。
少し引用しよう。

P.26

 

古今東西、儲けのタネは、ほんとうの価値を「知っている人」と「知らない人」のギャップの中に潜んでいます。みなさんは「リテラシー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。必要な知識を取り出して、上手に活用する力。簡単に言えば「ホントとウソを見極める能力」を指す言葉です。

(中略)

みなさんが漠然とした不安を抱いているのは、まだ「お金リテラシー」が低い状態にあるからです。リテラシーの低い消費者がついついだまされてしまうのは、世界のあらゆる国々で、また歴史上のさまざまな場面の中で証明されている事実。この本を通じて、しっかりと「お金リテラシー」を身につけていただければと思います。

 私もこの本を通読して、「まさに」と思った。

さまざまな情報源やメディアに踊らされること、それは極論すればすなわち、だまされて割高なお金をむしり取られることだ。そんな事態を防ぐためには、自ら知ろうとする態度、そしてリテラシーが必要になってくる。

どうすれば「賢い」消費者になれるか?
この本は、その方法を丁寧に説いたものだと言ってもいい。

 

 

ただ、この本の難点をひとつだけ挙げるなら、「カタカナの言葉が多くて、辞書を引かないと分からないことが多々ある」という点だ。
実際私も、iPhoneに入れてある「大辞林」のアプリを何度も引きながら読み進めた。
ここがもう少し分かりやすい日本語なりで書かれていたら、もう少し読みやすかったかもしれない。

 

でも、その難点を差し引いてもこの本は素晴らしいものだと思う。
私がいくら感想を述べても「百聞は一見にしかず」。実際に読んで、知識欲を存分に満たしていただきたい。

 

働く君に伝えたい「お金」の教養

働く君に伝えたい「お金」の教養

 

 

この本を読み終えたとき、明らかに、自分の中の「世界を見る目」が変わっていることと思う。

一人でも多くの方が、この本で楽しく学び、リテラシーを得ることを願ってやまない。

 

 

ではでは、今回はこの辺りで。